賃貸マンション管理会社員が語る一括借上(サブリース)について

マンション経営の強い味方!サブリースについて管理会社の本音

マンション建築をしたり考えているオーナーさん

既にマンションをサブリースに出しているけど、賃料交渉で下げられるのが怖いオーナーさん

何かと問題に取り上げられることが多いこの一括借上(サブリース)ですが

今回は管理会社員である私から、管理会社目線の本音を語りたいと思います。

ちなみにこの記事において自分の会社を紹介したり、どこかの管理会社を紹介する為のものではないです。(Googleの広告で出ている可能性はありますが)

オススメの会社を紹介して欲しいとかは期待せず

ただの管理会社勤めのサラリーマンの本音と捉えてください。

一括借上(サブリース)の概要 まとめ

この記事を見ている方は理解されているかもしれませんが、簡単に概要をまとめます

一括借上とかサブリースとか言われる、賃貸経営は「銀行口座だけを見てください

が営業トークの商品でございます。大手の管理会社はほぼやっている商品です。

通常のマンション経営は、

借主⇄仲介会社⇄ オーナー

の流れでの契約になります。

サブリースは

借主⇄仲介会社⇄借上管理会社⇄オーナー

となりオーナーは一括して管理会社に全ての部屋を借りてもらっていることになります。

そして管理会社は転貸をすることを条件としており、自らオーナーとなって借主を探すことになります。

中には仲介会社と管理会社が同じ場合もあります。

賃貸に住われている方は契約書を見てもらうと借主の欄がそのまま管理会社である場合が一括借上の物件であることが多いです。

(たまに管理会社が本当に所有している場合もあり)

管理会社は満室時の大体80%から90%をオーナーさんに払っているケースが多いです。

残りの10%から20%を運用資金として、管理料や修繕費用などを管理会社持ちにて対応して

残った分が利益となるわけです。

なので空室が多い場合は管理会社が損をして、満室経営をしているうちはオーナーさんが損をしていると言えます。

一括借上は管理会社にとっても大変ありがたい 4つの理由!

大手の建築会社ではほぼ100%近く採用される一括借上

一体どんなメリットがあるのでしょうか

オーナさん目線のメリット

  1. 収入が安定する 空室リスクをあまり考える必要がない
  2. 賃料の固定期間などもあるので融資が受けやすい(サブリースが条件になることもある)
  3. 退去や修繕の細かい費用を見てくれるサービスがある
  4. 不動産会社からの連絡がほぼなく気楽な不動産経営を行える

空室リスクを心配しなくて良いのが1番のメリットです。通常であれば空室になる度に実入りが減ってしまい、早く決まらないかと焦ってしまうものです。借上であれば一定の金額が常に入るので安心は出来ます。ただ賃料更新の時期はあるのであまり入っていないと下がる可能性はあります。

②マンションを新築する時に入ることが多いのがサブリース 建築費の融資を受けるのにサブリースが条件となることがあります。そうでなくても銀行にとって安定収入は大きく、融資を出しやすくなります。

③サービスの種類によりますがただ賃料を保証するものから、修理や退去のリフォーム費用を管理会社が見てくれるものまであります。もちろんその分毎月の家賃は下がるわけですが、毎回何かが壊れて修理費用発生しましたなんて報告は聞きたくないものですよね。勝手に直してくれる分にはありがたいものです。

④上記にも繋がりますが通常の管理の場合、修繕や退去の度に次の募集について打ち合わせがあったり、リフォームの相談があったりとマンション経営は何かと忙しいものです。この契約の場合は大きな設備交換などがない場合は退去したことも知らないまま勝手にマンション経営が進んでいきます

管理会社目線のメリット

  1. 安定収入になる
  2. 退去時や修繕発生時のオーナーさん交渉がなくなる
  3. 管理会社がオーナーになるので入居者対応についても権限を持ちやすい
  4. 募集に関して、オーナーさんからのプレッシャーがない

基本的には管理会社が儲かる為の制度です。営利企業ですので当然ですが、安定した収入にはなるので管理会社としては基盤となる商品です。

②オーナーさん側のメリットでもありましたが、交渉がなくなるのは仕事としてはスムーズになります。特にお金がかかることになると、細かい資料が必要になったりするので自社のルールで進められるのは有難いです。退去後のリフォームもスムーズなので次回の募集にも強みになります。

③入居者対応についても決断が早く出せます。通常の管理であるとお金がかかる場合オーナーさんの承諾が必要になるのです。いつでも連絡取れるオーナーさんなら良いですが、仕事をされていたりすると夜まで、もしくは土日まで結論が出ない方もいらっしゃいます。それまで入居者さんは待ちの状態になるのです。

空室時もオーナーさんに逐一報告する必要がなくなります。オーナーさんによっては毎週報告レポートが必要であったり、動きがあると連絡しなければならない方もいらっしゃいます。その点サブリースは社内でのプレッシャーはあるものの、部門が分かれていたり、募集点を急かすというオーナーさんの立場になるので間に立たされることがないのです。

一括借上(サブリース)のデメリット

賃貸マンションを運営するにあたって、双方に楽であり素早い対応ができるメリットが多いサブリース。

もちろんいいことばかりではありません。

次はデメリットについても見ていきましょう

オーナーさん目線のデメリット

  1. 必ず来る家賃交渉 融資返済額を下回るケースも
  2. 管理会社からの解約は可能
  3. 修理修繕が少ない場合は大きく損をする場合がある
  4. 入居者の情報がわからない マンション経営に深く関われない

①問題となるのが家賃交渉ですね。管理会社から支払われる家賃には固定期間があるものの更新の度に賃料の見直しがされます。満室稼働している物件は問題ございませんが、あまり入っていない物件だと交渉が入ります。また10年を超える場合はそもそもの家賃を下げているケースが多いので必ずと言っていいほど下がると思っていた方が良いです。問題となるのが融資の返済額さえも払えないケース。これは稀ですが、あまりに無謀な物件では実際に起こっているケースです。

②家賃交渉が決裂した場合どうなるのか?管理会社からは解約が出来るとなっている契約書がほとんどでしょう。サブリースの場合管理会社は借主になります。入居者と立場は一緒です。入居者が転勤なったので引っ越します!とか家賃が高いと思っていたので実家に帰ります!と理由つけて1ヶ月後に退去するのと同様に管理会社からの解約は通知により出来てしまうのです。もちろん入居者がいる状態なので、期間は3ヶ月ほど設けたり、それ以降の管理体制を協議した上にはなりますが管理会社からの解約は可能と認識は持っておくべきです。

③これは実際にやってみないとわからない話ではありますが、ずっと満室稼働、物件の状態もよく修繕なども発生していない場合は大きく損をしている場合があります。保険的な意味合いと思うしかありませんが、通常管理であればもう少し儲けれたのにという可能性はあります。

④入居者は管理会社と契約をするのでどんな人が入ったかなどは個人情報としてオーナーさんに知らされることがありません。開示している会社もあるかもしれませんが一般的に審査も管理会社で実施するので情報を取ることが出来ません。部屋の中を見たりする機会も希望しなければありませんし、マンション経営をしている認識は薄くなります。それを楽と取るか面白くないと取るかはオーナーさん次第です。

管理会社目線のデメリット

  1. 物件によっては空室や修繕が発生して赤字経営
  2. 揉める賃料交渉
  3. 設備交換などオーナーさん費用負担が発生すると、契約を認識していないオーナーさん有
  4. 10年目以降は管理会社の利益も少なくなり、新規のサブリースを契約し続けるしかないビジネススタイル

①空室が目立つと一気に赤字経営となります。もちろん全体で黒字なら良いという考えで始まっているサブリースですが、赤が続くと会社としては指摘が入ります。時期や地域にもよりますが3分の1は赤字である時もあったり。その物件のオーナーさんは得をしたなというケースは結構多いです。

賃料交渉は揉めます。まぁ揉めます。管理会社の運営が悪いのではないかとお叱りを受けます。下げられるオーナーさんも嫌でしょうが、交渉する担当も辛い立場です。もちろん下げざるを得ない根拠資料は作成するものの、絶対に下げたくないオーナーさんと絶対了承をもらえないと帰れない担当との交渉は長引きます。

費用の区分は契約書に明記されております。しかし最初の10年くらいはオーナーさんの負担はないので、忘れている方もおられます。家賃収入をそのまま使われてしまう方もいたり・・・設備交換が多くなる10年目以降にお金が残っていないなんて方もいらっしゃるわけです。小さい修繕に関しては楽なサブリースですが、大きな設備交換に関しては手間になることも多いです。

④全体的な話ですが、サブリースは家賃の高い最初の10年間で一気に稼ぐシステムです。10年目以降はそもそもの収入も低くなり修繕が増えるばかりです。管理会社の実入りとしてはかなり少なくなります。サブリースの収入を基盤としている会社としては新規の物件を取り続けるしかないのです。建築部門を持っている大きな会社であれば可能ですが、そうでない管理会社ではどこかで行き詰まる可能性があります。

まとめ サブリースの管理会社目線の本音

以上、ざっとですがメリットとデメリットを書き出してみました。

簡単にまとめますと

  • 双方にとって楽なマンション経営システム
  • 双方にとって得をするか損をするかは本当に運営してみないとわからない
  • 双方にとって賃料交渉は嫌なものではあるが必ず来るものである
  • 通常の管理でも出来ないような立地や物件ではサブリースだからとやるべきではない

サブリースは管理会社がボロ儲けしてオーナーさんが損をしているかといえばそうではないです。

むしろサブリースにしてて良かったという物件も多数あります。

賃貸の契約が直前でキャンセルなんてザラにある業界なので、一喜一憂してしまうオーナーさんにとってはマンション経営は忙しく波があるものです。

個人的には双方のメリットをうまく利用した制度だと思っております。

マンション経営を自分でしっかりやりたい方には向きませんが、投資的な意味合いでやっている方は取り入れた方が安心かなと思います。

注意点としては極端に立地が悪い場所やニーズがない間取りでの建築です。

サブリースだからと建ててしまうと賃料交渉決裂であっさり手を引かれて問題になっております。

近隣でマンションが多く、入居もしているようなら基本的には問題ないかと思います。

以上、管理会社目線の本音でした。

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