各賞総ナメの傑作 でも少し辛口書評になってしまうかも
2019年に発売されたこちらの作品ですがなんとミステリーの章を5冠達成
しかも本屋大賞ノミネート、吉川英治文学新人賞候補と燦々たる成績を出しております。
ここまでされて読書好きとして読まないわけにはいかない。
ただ正直読んだ方からの書評がラストは凄かったけど・・・と
何か奥歯に詰まった言い方をされるのですぐには手が出せず
文庫化を待っての読破となりました。
個人的にKindleで買ったのですが、文庫化されたと同時に文庫価格で出されるんですよね。
データで買う分だとなんかそれも不思議な気がしてしまいますね。
簡単なあらすじ
推理作家でありながら警察からの協力を頼まれる香月
友人女性の頼みから霊媒師である城塚翡翠と出会うことになる。
彼女は霊媒師として死者の言葉を伝えることが出来るのであった。
そして友人女性にも死が迫っていることを悟るも、彼女は死体となって見つかってしまう。
霊媒師の翡翠はその能力で決定的な証言を得るも、証拠としては扱われず
そのヒントを元に香月が理論立てて推理を進めるという新しいコンビが誕生した。
その後も次々と事件を解決していく2人
しかし街に潜む恐るべき殺人魔の手が翡翠に近づいていた
個人的な感想 ※ネタバレ有り
絶対にネタバレを見ないでください!
一同驚愕!騙された!
そんな言葉が帯に踊る今回の作品
流石に展開が読めました〜
犯人に関してはまぁ大体の人がわかるよなという展開
むしろ主人公以外に誰が犯人なら納得するんだというくらい登場人物がいないですからね。
そして恐らく霊能の能力がなくて自力で解いているんだろうというのも、実際に謎が解けたわけではないですが分かりました
ここまでどんでん返しと言われるとなんだろうかと考えてはしまいますよね。
もちろんそれ以上のところまで読めたわけではないですが、
恐らく皆様が驚いたところまでは軽く予想できてしまい、それ以外の結末を望んでしまっていたところはあります。
どんでん返しものの性ではありますが、期待が膨れると色々な可能性を考えてしまうものです。
それでも評価は変わらない 続編にも期待
途中の事件で犯人はすぐわかるのに、それを立証出来ないという山荘での事件は特に面白かったですね。
さらに霊能的な要素も含まれており、新しかったかなと思います。
犯人はあの人で間違い無いんです、けど証拠がない・・・
まるで答えを見てから方程式を作り上げる、数学のズルをしている時の感覚にも似た推理が展開されております。
しかも犯人がわかっていたから解ける回答を用意した後に、それがわからなくても犯人がわかる回答も用意する
この作品のためにかける労力がえげつないなとさえ思ってしまいます。
最近の特殊設定ミステリーのように、二つのことを用意しなければならない
最近の推理作家さん達は大変だなと勝手に感心してしまいます。
そう言った点からも多くのランキングで評価されてきた作品なのかなと思います。
続編も2021年のランキングに多くノミネートされており高い評価は変わらずです。
こちらもまた文庫化されたあたりには読みたいかなと思っております。