【一緒に考えよう】夜行/著:森見登美彦  読書レビュー・感想

旅の途中で出会った不思議な体験 さぁあなたも

正直そこまでハマっていなかった作家さん森見登美彦さん

なんとなく文章が合わないような気がしていたんですよね。

夜は短し恋せよ乙女以降、ほぼ読んでおりませんでしたが

綺麗な表紙に魅入られてこちらは購入

前評判通りの不思議な世界が散りばめられている作品でした。

純文学という感じの文章で今回はすごく肌に馴染む文章でした。

本当に書きたかった作品はこういったものではないかと思われる文章、

ただどうしても売れるのはライトな作品になってしまうのでしょう。

ギャグ漫画家がたまにかくシリアスな作品のような

いつもの森見登美彦さんとは違う毛並みの1冊です

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簡単なあらすじを書きつつ 一緒に考えましょう

いつも通りサクッとあらすじを書いていきたいのですが、

正直全てを理解することが出来ませんでした。

書きながら一緒に理解していければと思います。

導入部分

学生時代に英会話スクールに通っていた仲間たちと鞍馬の火祭りに出かけた語り部「大橋」

彼らは10年前にも集まっており、その時にメンバーの女性が行方不明になっていた

祭りの前にこれまでの不思議な体験を語り出すメンバー

それぞれの物語には失踪した女性メンバーと「夜行」と名付けられた絵画が絡んでいた

大橋もまた仲間と合流する前に画廊で「夜行」という作品を見ていたのだ

第一夜 尾道

家に戻ると妻がいなくなっていた男

連絡をすると尾道にいることがわかる

迎えに行くため尾道まで旅をすることになるも、目的に場所にいたのは妻と瓜二つの別人を名乗る女性だった。

からかっているのかと思うも泊まっているホテルマンの妻であるらしいこともわかり・・・

第二夜 奥飛騨

先輩の彼女とその妹と旅に出ることになった男性

山を下る途中で「ミシマ」という人の未来が見える女性を車に乗せることになる

4人の顔を見たミシマは、2人に死相が出ているという

気味が悪いと思いながらも降ろした先で喫茶店に入り、そこで「夜行」の絵に出会う

そしてまず妹がいなくなり先輩が探しに行くも戻ってこない

戻ったその後は姉妹で話したいとまた分かれてしまう

最後は旅館で部屋に戻ると妹だけがいた

消えた2人を探しに温泉に入ると・・・

第3夜 津軽

グループの中で紅一点となった女性が語り部

電車好きの旦那を持った彼女は旦那の後輩を引き連れて夜行列車で津軽を目指すことに

後輩は降りた駅で何かに取り憑かれたように1件の家に向かう

その家は働いている画廊にある「夜行ー津軽」に書かれているものに似ていた

そのまま姿を見せなくなった後輩

後に連絡が来ると、なんとその家にいるとのことだった。

ふと子供の頃に中良かった佳奈ちゃんを思い出す

家事にあった佳奈ちゃんの家がその家であることを思い出すのであった

旦那に打ち明けて再度その家に向かうことにする2人

旦那は女性の母親から子供の頃に佳奈ちゃんという想像上の友達を作っていたことを聞かされていたのだ・・・

第4夜 天龍峠

伊那市の親戚の家から豊橋に帰る男性

長い電車のボックス席に中年の坊主と女子高生が座っていた

2人は女子高生がどの駅で降りるのか坊主が当てるというゲームをしているようだ。

話を聞くと坊主は超能力者だという

坊主は男性の過去を言い当てて驚かせる

しかしそれは男性が昔遊びに行っていた画家のサロンに一緒にいた人が坊主であることがわかる

思わぬ知り合いがいたことに驚くも、女子高生にその画家が描いた絵を盗んだことを指摘されてしまう。

画家は物語に出てくる「夜行」の作者であり、既に亡くなっていたのだ。

坊主は急に悲鳴をあげて「画家を殺したのはこの女だ」といって電車を降りてしまう。

取り残されてしまう2人

女子高生が呟く「私たちはずっと一緒だったの」

第5夜 鞍馬

導入部分の語り部だった「大橋」目線で物語は進みます。

その道中に仲間とはぐれてしまいます。

いくら待っても仲間は現れず痺れを切らして電話をすることに

出た仲間は意外なことを言います「本当に大橋なのか?」

先程までいた宿に連絡するも予約がないと言われてしまい・・・

とりあえず仲間の1人と京都市内で会うことに

そこで聞かされたのはあの夜に失踪したのは「大橋」自分であったということ

信じられないまま昼間みた「夜行」を再度見に行くことに

するとそこに飾られていたのは「曙光」と名付けられた別の絵であった・・・

その世界では画家は生きていて、失踪した女性はその妻となっていたのだ。

2つの世界が存在して今までの話は「夜行」の世界で起きていたことがわかる

そして画家と失踪したと思っていた女性とも再開しこの10年間何があったかを聞く

2人は10年前の鞍馬で出会っていたのであった・・・

青春?ホラー?ファンタジー? 荒削りな感想 考察

不思議な世界が目白押しで、

それぞれの話もオチというところもなく不思議なところで終わってしまうので

とりあえず話をまとめてみました。

いやいや聞いている方もそこからどうなったかちゃんと聞き出せよと言いたくなるほど

全ての話は不思議な展開で終わっております。

そしてまさかのどんでん返し

失踪していたのは自分自身だったというパラレルワールドも展開されております。

改めて本を調べたら、怪談青春ファンタジーと銘打たれていました。

そのどれでもないような感じがしましたが、枠にとらわれない作品というところでしょうか。

文学要素が強く、話の展開などを求める方にはあまりオススメできない作品かと思います

伏線もありすぎて解明するのは難しそうです。

失踪した女性「長谷川さん」

基本的には誰からも好かれていた彼女との失恋話になるのかと思います。

それぞれの過去の話に実は2人で会っていたなんてエピソードがあったり、

何かしら意味深に出てくる女性キャラクターは、それぞれの心のどこかにいる「長谷川さん」を思い出しているのかなと思います。

そして恐らく1番思いを寄せいていた「大橋」

彼女が将来の結婚相手と出会う瞬間に、彼は別の世界へ入ってしまう。

その世界では長谷川さんは失踪しており、画家は死んでいるのです。

世界は常に夜であった

安直な考察ではありますが、軸はこの失恋物語にあるのかと思います

 

三角屋根の一軒家

1夜の妻が逃げ込んだ家、3夜の後輩が取り憑かれた家、そして「夜行」の絵の中でも書かれている家

そして画家が希望と取り戻すきっかけをくれた家

所々に出てきますが、上手く何かを例えているのかは理解出来ず

「夜行」と「曙光」

対になっているこの作品

それぞれの世界で見える絵が違うというのが唯一の手がかりとなっている。

ただこの作品は皆のそれぞれの場面に登場こそすれ、大橋に取ってはその日のようやく見つけれた絵

そもそもの物語の最初はこの絵にようやく大橋が出会えたことから始まっているので

彼がようやく答えを見つけれた物語なのか

勝手な憶測ですが、彼は10年前の鞍馬で思いを寄せる女性が別の男性と恋に落ちる瞬間をみてしまったのかもしれません。

そこから朝を迎えることがないように夜の中でずっと閉じこもっていたのでしょう。

10年経った今ようやく受け入れることができたときに

再度仲間達とはぐれることで、元の光の世界へ戻ってこれたのかなと思います。

答えが出ない それこそが文学

文学というのは明確な答えがないものかなとも思っております。

読んだ人がどう思うかは自由だし、もっと深く考察している人もいるでしょう。

10年という時間は長いようで短く、ただ何かを忘れるには充分な時間かなとも思います。

ちょうどまだその時の気持ちを完全に忘れるわけでもなく、受け入れることができる時なのかなと

ぜひ旅の途中に読んで欲しい1冊かなと思います。

 

 

 

 

 

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