【読書レビュー 感想】オーダーメイド殺人クラブ

私を殺してくれない? 〜奇妙な縁で繋がった男女の結末は〜

物騒なタイトルから読みたいと思っていながらも中々手が出ていなかったこちらの作品

辻村深月さんの2011年の作品です。

辻村さんと言えば読書好きでは知らない人はいない

ただ小説でしか出来ないトリックや技法が多いのもあって

メディア展開されている作品は少なめです。

あの作ドラマと同じ作者だよ!とか知らない人に言える作品が少ないです。

今回のオーダーメイド殺人クラブは中学二年生の作品ということもあり

歳を取るたびに避けてしまっておりましたが、

流石は辻村さん、大人が読んでも恥ずかしくなく

淡く中学時代のことを思い出させてくれます。

480ページの長編であり一人称で書かれておりますが

久々にのめり込んでしまう傑作でした。

辻村さん好きにはもちろんですが

小説が好きな方にはどなたにもオススメな作品です。

簡単なあらすじ

 

中学二年生のアンはクラスでも上位グループにいて

人気の男子と付き合ったことがあるなど所謂イケてる女子

そんな彼女は人の死に対して強い興味を寄せていた

多くの人が亡くなった事件のスクラップをまとめるなど変わった癖をもっていた。

そんな中、河原で何かの動物を踏み殺している同級生の姿を見つけてしまう。

クラスでもイケていない男子の徳川だった。

それを見て興味を持ってしまうアン

彼女にはどうせ死ぬなら世間を騒がせるような、普通ではない記憶に残る事件で死にたい

という野望があったのだ。

彼ならそれを出来ると思ったアンは徳川に言う

「私を殺してくれない?」

驚いた徳川はこう言った

「いいの?」

徳川もまた死に興味を持ち、いつか人を殺したいと思っていたのであった

私たちだけの事件を作ろう

 

ここからはネタバレもあるのでご注意ください。

理想の事件を考えていく2人

  • すぐには殺さないで欲しい
  • 死体は綺麗な状態で残して欲しい
  • 恋愛とかいじめが嫌とかそんな陳腐な理由の事件にしたくない

など理想を出してくるアン

それに対して妙に現実的な徳川

  • 痛いのを我慢できるのか?
  • 発見が遅れると死体は腐るぞ
  • なぜお前を狙ったのかなんていい理由がない

物騒な話に思えますが、どこか付き合いたての男女が初めての旅行計画を立てているようにも思えます。

  • 絶対ディズニーランドに行きたい
  • ホテルはダブルじゃなきゃやだ

それに対して

  • 中学生の俺らにそんな金ないだろ
  • まずどうやって行くんだよ。親にバレるだろ

みたいな感じで理想を言う女子、現実的な計画を立てる男子という構図

本編も元カレが出てきたり、女子同士のいざこざがあったり

やっぱり徳川みたいな男に殺されるわけにはいかない!

あぁやっぱり私はこいつに殺されたい!などの気持ちが変化されるところなど

あれ、恋愛小説だったけかと思うような節もあったり

むしろその辺りのちょっと危うい関係を織り交ぜているのが狙いなのでしょう。

ただ随所に事件に対する恐怖もありあらかじ事件を起こすと決めたXデーが近づいてきます。

理想的な事件が出来上がり後は行動に移すのみ

アンは徳川に殺されてしまうのか

徳川はアンを殺してしまうのか

個人的な感想

 

2人が殺人事件を計画していくという作品ながら

展開は目まぐるしく動き、手に汗握ります。

事件の結末としても個人的にはすごく納得しました。

事件を起こしても悲劇で終わってしまうし、殺せなかったというのも拍子抜けだし

終わらせ方が難しいなと思っていましたがそこは流石でした。

オチもここまでやって結局恋愛なのかというところもありますが

話全体が中二の男女がゆっくり距離を詰めているのだなと。

最後にようやく少し動いただけ

優しく思春期の淡さが詰まった作品でした。

圧倒的にオススメの作品です。

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