永遠の謎 答えの出ない問題に管理会社として30代として考えてみる
不動産を語る上で永遠のテーマとも言える賃貸VS持ち家
結局のところは50年と過ぎてみないと答え合わせできないし、
その頃にはあっちの方が良かったななんて思っても仕方ないのでわざわざ答え合わせすることもないのです。
でもやはり大きな決断であるこの議題
家を持つことなんて当たり前と考えられていた時代から、今では賃貸に住んでいる人の方が賢いなんて意見もあったり。
どちらもメリットデメリットあることですし、散々語られていることなのでわざわざ私が話すことでもないのですが、
賃貸マンションの管理会社に勤めて思うことをまとめられたらと思います。
双方のメリット・デメリットをまとめる
賃貸のメリット・デメリット
- かかる費用は家賃のみ ⇄ 死ぬまで家賃を払い続けなければならない
- 引越しや移動が簡単 ⇄ 安定はないとも言える
- 設備や修繕はオーナー持ち ⇄ リフォームなど好きなように変更することはできない
持ち家のメリット・デメリット
- 家を持っている安心感がある ⇄ 簡単に引越しや移動ができない
- 月々の費用は家賃を下回ることも ⇄ 税金や手数料を多く払うことになる
- 子供に家を残すことが出来る ⇄ 子供の生活にとっては不良債権になることも
- リフォームなど好きなように出来る ⇄ 建物の修繕費用は全て自分持ち
- 最終的に資産になる ⇄ 元の価値より高く売ることは難しい
それぞれ良く言われていることではありますが、相反するメリット・デメリットがございます。
正直これらに関しては物件の場所や建物の価値 その時の時勢やライフスタイルによって比較できるものではないので
あまり深掘りしても仕方ないのかなと思います。
実家の土地に親の援助をもらって家を建ててしまうのが1番良いなんて結果になってしまいます。
次からは不動産業者としてかかってしまう費用について解説していきます
不動産を購入するのには多くの税金 諸経費がかかる!
賃貸マンションの管理会社としての意見になりますが、とにかく不動産を買うには諸経費や税金がかなりかかります!
個人的に考える1番のデメリットはこことも言えます。
皆さん!税金を払うことは好きですか?!
中には国の為に多くの税金を払いたい!という愛国心ある方もいるかもしれませんが、
基本的には税金は取られたくないですよね。
そして間の業者や専門家に取られる手数料も少ない方が良いですよね
例えば3000万円(税抜)の不動産を買ったときの諸費用をまとめますと
- ローンを組む場合 銀行に払う 住宅ローン手数料
- 不動産屋にも手間賃ください 仲介手数料 3,000万円の場合90万円
- 不動産を法的に登録する費用 登記料
- 登記した際にかかる税金 登録免許税
- 契約書に貼ろうね 印紙税 3,000万円の場合2万円
- 不動産を取得したのは贅沢なのか 不動産取得税
- どんなものにもついてくる消費税 3,000万円の場合300万円!
目安ですが不動産購入に対する税金や費用は7%と言われております。
それに購入代金には消費税がかかっているのですから
3000万円の不動産を購入した時点で500万円近くを税金や手数料で払うことになるわけです
収支の対決をした場合、いきなりマイナス500万円スタートとなるわけです。
もちろんそれ以外にも引越し費用であったり、家具を購入したりの費用がかかりますし
分譲マンションなのか土地付きの建物なのかにも金額は全然変わってきますので一概には言えません。
いや賃貸だって仲介手数料とかかかるでしょう!税金だって・・・
持ち家派の意見としては賃貸でかかるお金を言いたくなるところですが、
意外と知られていないところがここです。
家賃には消費税がかかっていないのです!
言われてみれば最初の契約の金額を引き落とされているだけだなと気付いたりしますよね
駐車場とテナント以外は非課税になっているのでもらっているオーナーさんも払っていないわけです。
住居は最低限必要なものであるとして課税されていないのです。
でも不動産を購入したのであれば、消費税ももらいますし不動産取得税ももらいまっせというわけです。
さらには契約書には印紙を貼れと言いますし、法的な登記をしないとあなたの所有と認められないよというのです。
あ、その登記の手続きは難しいから司法書士使った方が良いし、登記したら登録免許税ね!色々手続き大変だから
それに家は燃えたら終わりだから民間の火災保険も入っておいた方が良いかもよ〜
前は一気に30年入れたけど最近は何が起こるか分からないから10年までね!
住居は最低限必要なものではないのか!と言いたくなるほど国は色々持っていきます。
要は不動産を買うことは贅沢!
そういうことです。
持ち家を持つということは大人として当たり前の行為ではなく、国としてももの凄く贅沢とみなしているのです。
むしろそれを踏まえた上で、贅沢品として購入することをしっかり考えるべきでしょう
まだまだ持ち家派を攻めます! リフォーム費用について
管理会社としてはここです。
設備は10年から15年したらリフォームが必要になります。
もちろん持ちの良い設備を使っていたり、メンテナンスがかからないように最新の技術を外壁などに使われてはおりますが
以前の10年から今は15年に伸びたというところでしょうか。
少なからず15年も経てば使えたとしても古びてしまうわけです。
そしてその間もローンの支払いについては金額は変わりません。
家賃であれば10年も住めば交渉ができる可能性がありますが、ローンに関してはそうも行かないのです。
もし月々の支払いが2万円持ち家の方が安く、15年目に賃貸が引っ越したとしましょう
賃貸の引っ越し費用を、引っ越し代20万円 不動産手数料など30万円
合わせて50万円と仮定
持ち家派は毎月のアドバンテージを計算すると15年分✖️2万円の30万円を得しているので
合計で80万円勝っております。
では15年目のリフォームでかかってくる費用としては
- 給湯器 10万円〜15万円 ※ガスの場合
- エアコン 1台10万円で3台つけてれば 30万円
- 水栓関係 5万円くらい
- 防水工事 50万円程
合計で100万円程かかってしまうことになります。
もちろんやる工事によりますので一概には言えませんが、
給湯器やエアコンは壊れたタイミングにもなるかもしれませんが止まってしまうと一大事なので15年目までには一度交換が必要です。
電気温水器だともっと高額ですが、修繕は何度か発生する可能性はあります。
地味に壊れて嫌なのがシャワーやキッチンなどの水栓です。
根本から漏水したり、水の勢いが無くなったり、変な方向に流れてしまったり。
そして大掛かりな工事で必要なのが防水工事 さらには外壁改修工事
これだけで全部やると100万円近くは戸建てでしてしまいます。
保証期間が10年なので15年目ではすでに保証対象外なのです。
修繕の積み立てまでやろうと思うと結局は2万年くらいのアドバンテージがあってもそれは別で貯金しておかなくてはならないお金になります。
ちなみに賃貸であればこれらの設備の工事は全てオーナーさん持ちです。
そして引っ越せば全ての設備がリニューアルされた新しい家に住めます。
持ち家を買う場合は単純な月々の支払いで考えずに、リフォームの積み立て分なども計算して購入することが大切です。
もちろん賃貸派も楽ではない 1番の問題 老後になってからの賃貸問題
何かと経済的に見える賃貸派ですが、1番の問題はゴールのところです。
70歳を過ぎてくると保証会社が通らなくなったり、オーナーさんがそもそもNGを出してしまうケースもあります。
10年毎の引っ越しなどができなくなってくるわけです。
もちろん御子息がいれば保証人になってもらったり、代わりに部屋を借りてもらったりなどできますが
そこに頼ってしまうのも難しい場合もあります。
不動産業界にいてもやはり高齢者の入居は難しいと感じる部分はあります。
そして持ち家派の人はローンの支払いも終わり、家計としてはかなり楽になる時期が来ております。
もちろんその時の家の老朽化や家族構成による問題などはあると思いますが、
最終的には家を売却してそのお金で高齢者専用の施設に入ったり出来ますし、
終の住処はあるので最後を迎えるのみになります。
収支対決だと一気に抜き去る期間になるわけです。
また40年家賃を払い続けた場合家賃平均10万円で4,000万円
3,000万円に手数料で3,500万円で家を買った持ち家派
15年毎に100万円のリフォームをした場合、合計で3,700万円
もちろんローンの金利や土地の税金など諸々はありますので同じ4,000万円払うことになったとして
最終売ることも出来る持ち家派の方が収支対決は勝つかもしれません。
さらにここからの家賃分はマイナスでしかないので賃貸が経済的とも言い切れないのです。
高齢者になってからの部屋探し
もちろん高齢者でも部屋を探す方法はありますし、方法としては以下になるかと思います。
- 子供の名義などで部屋を借りる
- 設備の交換費用などがかからない分をしっかり積み立てておいて、現金一括払いで分譲など買う
- 高齢者向け物件など時代の変化はあるのでそういった物件を探す
どうしても憶測の部分にはなりますが、これからは家が余る時代が来ると言われております。
全国の空家率はどんどん上がっており13%は空き家と言われております。
また平均寿命も伸びており人生100年時代なんて言われておりますよね。
70歳で部屋を探しても30年近く住むことになるかもしれないわけです。
30年も住んでくれるなんてオーナーさんからしたら嬉しい限りなわけです。
また基本的には静かに過ごすでしょうし、年金などで家賃が安定していれば取りっぱぐれもないわけです。
積極的に高齢者を採用するオーナーさんなんかも増える可能性はあります。
全く部屋がなくて路頭に迷うなんてことはないというわけです。
もちろん今までと同等のレベルの部屋に住めないなどはあるかもしれませんが、
ライフスタイルに合わせて夫婦2人になったなら広い部屋はいらないなど最後まで経済的な生活ができるとも言えます。
賃貸派寄りの意見になってしまいましたが まとめ
個人的な意見が強めにはなっておりますが、賃貸マンション管理会社勤めから見た今の考えです。
まとめますと
- 不動産の購入にはとにかく税金と手数料が高い!
- 不動産の購入は贅沢品としっかり理解して買うべき
- リフォームは15年目までに意外とかかる
- 老朽化してもローンの返済は同じ
- 老後になると収支は一気に持ち家派 売却も可能
- 老後の部屋探しは見通しはあるものの現在の不動産業界だと厳しい
そんな賃貸派よりの意見を書いた私ですが、恐らくはどこかのタイミングで家を買うことも検討すると思います。
やはり何よりも安定というところは強いかなとも思います
もちろん色んな街に住みたいとか、色んな仕事をしたいという気持ちもあるのでタイミングにより変わると思いますが、
どこか1点に落ち着くというのは一つの強みでもあるなと思っております。
人生の大きな決断の場面ですので、何が自分に取って1番大事なのか
その基礎を大事にすることが大切ですね。
私自身がブレてしまっているところがあるのが現状なんですが。
以上、管理会社目線の賃貸VS持ち家論争でした