入居中の家賃って下げれるの? 現役管理会社目線からのお話

よくオススメされる家賃交渉 本当にできるのか

お金の勉強をしていると目にするのが大きな固定費を下げようという言葉

これは本当に実感しており、ちまちま無駄遣いをなくすよりも大きな出費を減らすことがどれだけ効果があることか。

それの最たるものが家賃ですよね。給料の三分の一で抑えよなんて言葉もありますが、三分の一も占めているとも捉えられます。

その家賃が下げられるのであれば良いことに違いないですよね。

家賃を下げる裏技!家賃は30パーセントくらい下げられる!なんて記事を良く見ました。

では実際にどこに相談するのかと言えばマンションの管理会社になりますよね。

そのマンションの管理会社をしている私からお話させていただきます。

入居中の家賃って下げれるの?

10年以上の経験で1度もございません・・・

これが現実的な答えになります。

もちろん何度かそういった交渉はありました。

設備の不具合や空室の募集賃料が安いという理由を元に、また管理会社の対応が悪いや思っていたより環境が悪い為、とにかく家賃を下げれば納得するからしてくれなど

もちろんお金で解決できるならそれに越したことはないのですが、様々な理由により家賃交渉は難しくなっております。

入居中の家賃交渉が難しい理由

そもそもの説明になりますが、管理会社はオーナー様から依頼されて代理でマンションを管理している会社になります。

なので家賃に関して決定権は全くないのです。

決めるのは建物の所有者であるオーナーさん。その間を取り持つ形になります。

文句があるなら出ていけ!

こんな強い言い方はもちろんしませんが、人気な地域などでは家賃に不満があって出ていかれてもオーナーさん的には困らないということがあります。

場所に寄っては2021年現在は空室が出た場合、家賃を上げている地域さえあります。

そんな地域で家賃交渉をしたとしても、上の言葉になるわけです。

家賃を下げる正当な事由は中々見つからない 定めがない

もちろん闇雲に家賃を下げるわけではないでしょうが、何かしらもっともな理由がなければ交渉にも立てません。

ではもっともな理由。不動産用語で事由なんて言いますが

あるとしたら「周辺相場が著しく下落している」なんて表現は当てはまるかもしれません。

自分は家賃を10万円払っているけど、同じ町内ではみんな同じくらいの広さで2万円くらいしか払っていないみたいなことです。災害や事故などによって急激に家賃が下がったとかですね。

そんなことがあればもちろん下げれることはあるかもしれませんが、現実的には家賃が下がっても1万円くらいか。それも間取りや向きなどによって同じ町内でもそれくらいの幅が出るのは当然と言えるかもしれない。

中々これなら間違いなくという事由は現実見つからないのだ。

そもそも賃貸借契約によって決められた賃料 変えるのであれば一度こちらを解約するべき

家賃は入居する際に決められた賃貸借契約書によって決まってくる。

しっかりした契約であり有資格者の事前説明が必要なものである。

家賃交渉はそれを変えるものなので、やるとしたら一度その契約を破棄する、つまり解約をしなければならないと考えることもできるのだ。

もちろん一度部屋を明け渡すというわけではないが、再契約がどのみち必要になる。

家賃を下げるというのはそれだけの行為である為、電話1本で何とかなるものでもない。

ただでさえ家賃を下げることなのにオーナーさんが積極的に協力してくれることはないのだ。

管理会社の不手際などは家賃交渉の要因に入らない

例えば管理会社が全然連絡してこないなど、不手際を理由に家賃交渉をしたがる方がおられます。

これもオーナーさん側に立つとしっかり対応はしているのだからとすんなり了承してくれるわけはないのです。

怒る気持ちはわかりますがここでの交渉は家賃ではなく、それによって被った被害などを材料にすべきです。

家賃の場合は今後何年も関わってくることなので、ひとつの不手際で変えられるものではありません。

 

そもそも家賃交渉をするのは管理会社なのか?

家賃交渉をしようと思った際にまず建物の管理会社へ連絡すると思いますが、

それが1番良いのかという問題もあります。

基本的にはオーナーさんの代理である管理会社に相談するということで問題はないです。

ただ管理会社によっては不動産の免許を持っていないところがあります。

契約行為をする賃貸の不動産会社と違い、設備のメンテナンス会社であることが多いので

そもそも再契約をすることが出来ない場合もあるのです。

賃料の合意書レベルであれば問題ないかと思いますが、そもそも実際にやることも少ないので

スムーズに話が進むことがないのです。

そんな時は仲介をしてくれた不動産会社に相談するのも一つの手です。

多くは管理会社へ相談してくれと言われてしまうとは思いますが、オーナーさんとの繋がりもありますので話が早い場合もございます。

ただどうしてもそこでオーナーさんから嫌だと言われてしまうと終わってしまうのが現状です。

 

それでも考える 管理会社目線の家賃交渉が可能な要因

それでもなんとか下げたい!実際に下がったという声もあるし!

実際に下げたことのない経験の浅い私ではありますが、次の点なら可能性がございます。

10年以上住んでいて、他の部屋が家賃を下げたりリフォームしたりしている

10年以上住んでくれている入居者というのはオーナーさんにとっても有難い存在なのです。

また空室になるとお金をかけたりしてリフォームをしている物件では、なるべく出て欲しくないという気持ちがあるでしょう。

1番交渉がしやすいと思います。

更新の時に捨て身のアタック!

賃貸借契約の種類によっては更新時期を定めているものがあります。

え、それが普通じゃないのと思う方もいますが、場所に寄ってはそういう風土がないところもあります。

その際に交渉するのが一般的になります。逆に値上げを要求される場合もございます。

そこで捨て身のアタック!下げてくれないと退去しますというくらいのリスクを負うと対応してくれる場合もあります。

もちろん、では今までありがとうございましたとなる可能性もありますが

引越しも検討されているのであればチャレンジする価値はあります

オーナーさんへ直談判!

賃貸借契約書には貸主の欄にオーナーさんの名前と住所が書かれております。

揉めることも多いのであまりオススメはしませんが直談判が話は早かったりします。

近くに住んでいたり、日頃挨拶するような関係であれば直接お願いに行くのも良いかと思います。

個人的にも私が間に入ったことはないが、オーナーさんに直接連絡入って下げてやってくれと言われたことはあります。

ただいきなり連絡や訪問は心象悪くなる可能性もありますのでご注意ください。

また貸主の欄が管理会社であったり、仲介した不動産会社であるケースもございます。

それは管理形態によって代理契約をしていたり、不動産会社自身が所有者であるケースです。

その場合は管理会社へ相談という形になります。

まとめ 一筋縄ではいかない賃料交渉

以上まとめますと

  1. 管理会社目線で賃料交渉が実際に行われるケースは稀
  2. オーナーさんが下げなければならない事由が現実的にほぼ無い
  3. 契約書の巻き直しなど、手間と時間が双方かかる
  4. 長く住んでいたり、オーナーさん次第では可能性はある

 

オーナーさん側、不動産側にとっては何の得にもならない話なので、交渉が難航するのは仕方ないです。

根気強く、そしてもっともな理由があるなら参考にしていただいて交渉をしてもらえればと思います。

家賃を下げるのが難しいということは、家賃を上げる交渉も難しいということです。

一度契約した賃料を変えることは一筋縄ではいきません。

住んでいる以上、出て行かせることも出て行くことも簡単には出来ないので

それぞれの権利で出来得る交渉をすべきかと思います。

以上、参考になればありがたいです。

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